旅の振り返りと、これから

 
 

旅の最終日の夜、いろんなことが頭を廻った。
2011年はじめに決意したこと、今回の旅に至るまでの経緯、実際に旅に出て肌で感じたこと、そしてこれから。

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2011年2月、休学を決意した。
頑張れば卒業できて、なおかつ就職先も決まった中でそれを投げ捨てて休学した。

「まだ大人になりたくなかったから」
甘い考えとは分かっていたけど、自分の決断を変えることはなかった。

頭の中にはやりたいことがあった。
1つ。
世界一周。
理由は単純、自慢できるから。

自慢できるという意味不明な理由だったけど
いろいろ調べていくうちに自分の知らないことが世界にはあると感じた。
自分の常識が他人の常識ではない。
自分の見たことのない世界を見ることは、当時の自分にとってはとても魅力的だった。

実際、それまで閉鎖的な環境に居座っていたこともあり、社会のことなんて考えたこともなかった。
知らないことがあるという事実にさえ、気付けていなかった。
なのに、社会人になろうとしている自分がいた。

社会人になってからの自分が思い描けないまま、あやふやなまま社会に出ていいのか。

就職活動もそこまで真剣にやらず、だいたいこんなことしたいなという思いだけでテレビ制作会社を選んだ。
「表現者になること」
これは昔からの自分のテーマで、それにあっているだろうという理由でテレビ作れたら面白そうじゃん?と。
それもそれで楽しいとは思った。

でも社会的に未熟すぎる自分が作るテレビに、誰が興味を示してくれるかなと。

良い表現者になるためには、自分自身が魅力的な人物にならなきゃならないと感じた。
そこで自分を振り返ったところ、そんな自分になれてるか?と自問自答した。
答えは、NOであった。

魅力的な自分になるために、世界一周をしようと思った。

バイトをして、お金を貯めて、順調に世界一周の準備は進んでいた。
そんなとき、イスラエル行きを決めた。

世界一周ではイスラエルはいけないと思っていた。
物価も高いし、なんせ少し怖いし。
自爆テロとか普通だからね。

でもイスラエルには死ぬまでに一度は行きたいと思っていた。
大学の授業でパレスチナ問題について触れた時、こんなことがあるんだと知った。
もともとパレスチナ人が住んでいた場所を、WW2後、ユダヤ人のための国が作られた。
そしてユダヤ人によるパレスチナ人の虐殺。
ナチスによって虐殺されたユダヤ人が、だ。

閉鎖的な生活の中で、少しだけ外の世界を見た瞬間だった。

世界一周いきたいけど、それ以上にイスラエル行きてえ…と。
最悪、お金なくなって世界一周できなくてもいいや、とさえ思って旅立った。

イスラエル。
自分がイメージした場所とは全く違った。
自爆テロ?3週間いたけど1度だけだったよ(それでも異常だけど)。
パレスチナ人とユダヤ人仲悪そうだな…?いや、普通に共存してたよ(全て見たわけじゃないけども)。

まあ、言いたいこととしては、冒頭にも言ったように
知らないことへの恐怖、ですよね。
イメージだけで作り上げられたイスラエルと
自分の目で見てきたイスラエルでは、全然違った。

そして、3週間いたけども、時間足りないよと。
たった2ヶ国だったけど全て見れた?って聞かれたらまだまだ。
イスラエルについてもっと知りたいと思った。
現地の人にも話聞きたいし(そのためにはアラビア語とヘブライ語話せたら超便利だな)、もっと長くいたいと思った。

当初の予定では3ヵ月ほどで世界一周行こうと思っていた。
3ヵ月って自分の中では結構長期的で、そんだけいけば大丈夫っしょ?って。
でも、きっとこれ、俺の目的からしたら合ってないじゃん?って感じた。
自慢するってだけならできるけど、これはほんと意味ないし。
「世界のことをもっとよく知る」
これが目的なら5年くらいかけて世界一周したほうがいいなと感じた。
世界一周に固執するならばね。
3ヵ月は短すぎた。

世界を知る前に、日本についてもっと知ろうと思った。
きっと自分の知らない日本がたくさんあるんじゃないかな、と思って。

結果、世界一周今年は諦めようと思った。
その夜決めた。

日本についてもっと勉強してから、社会に出て、時間見つけていろんなところ旅しようと思った。
世界一周に固執しなくてもいいじゃん。
あー、ここでも逃げるんだ俺、って思ったけど、なんていうかそう思っちゃった以上行く気も失せた。

個別にいろんな国行って、いろんなこと知って、それから総復習的な意味合いの世界一周できたら素敵だなと思った。

ヨルダン最終日にある老夫婦に出会った。
仕事辞めてゆっくり世界一周してるらしい。
そういう形もありなんじゃないかなってね。

何話したいかわかんなくなってきて、まとまってないけど、とりあえず、俺は勉強不足で、何をやるにもまだ未熟すぎたので、いろんなことを学ぼうとこのときに感じました。

いろんな本を読んで
いろんな講演会に行って
いろんな人と出会って
いろんな可能性を広げていこうと感じました。

自分の将来について、いろいろ考えることがあるんだけど、これについてはまたブログで書こうかなと思ってます。

とりあえず、この旅で感じたこと。
日本には世界について知らない人がたくさんいる、自分も然り。
そういった人たちに事実を伝えたい。
歪曲化された報道を信じているすべての人に伝えたい。

表現者としての自分の最終目標はそこなんだろうなと。

そのためには自分で見て、感じる必要がある。

世界一周の夢は諦めません。
ただ、少し目標が変わっただけ。

世界を知りたい。
この欲が尽きることはないでしょう。

まず日本から。

そんなことを考えながら、この旅最後の夜は更けていきました。
少し長く感じた夜でした。

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